手編みの糸
お客さんから手編みの糸が余っているので、「ブランケット」ではなく夏場のひざ掛けを作って欲しいとの依頼。
毎年、そんな問い合わせが数件あるが、糸が太く当店の工業編み機ではたいへん編みづらい。
理由は、編み地の風合いが出しにくい・キズが出る・結び目がごろごろして見場が悪い等々…。毎回、前述の説明対応でたいへん。
今回は結局作ることになってしまったが、この場を借りて糸の太さの説明を…。
お預かりした糸は「ハマナカ」100g 280m の綿素材でした。たぶん、綿番手(糸の太さの呼び方)で1.75/1 くらいの番手です。
ここから少しややこしい糸の太さの説明になりますが、糸番手には、綿番手・毛番手・麻番手とあり、
綿番手は30/2 のように分子の大きい分数のような表記、毛番手では2/48と云うような分母の大きい表記になります。
今回は毛番手の基礎になる単位の算出をお伝えします。1kgの繊維を1000mに撚りあげると毛番1/1番手となります。
ですから1kgの毛の繊維を2kmの長さにした場合は「2番手」です。また、毛番の1/1・2/48・3/18の分子の部分は単糸を何本撚り合わせているかの数値になります。
読み方は1/1いちばんたんし・2/48よんぱちそうし・3/18じゅうはちばんみっこ、業者はそう呼びます。
綿番手は番手算出の単位が1ポンド(453g)長さ840ヤード(768m)と定めているため、毛番手のみの説明にしました。
綿番の分子に1.6をかけると毛番の分母になりますので、業者は素材違いのニット編み立ちに利用しています。
ちなみに、当店のブランケット2色編み込みは20/2 3本・3本の引き揃え、組織編み(模様編み)は6本の引き揃えです。
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